月桃を日々の暮らしに
石垣島 白保 NPO法人夏花
サンゴ礁の海に土が流れ出ないように、畑の周りにグリーンベルトとして育てた月桃(げっとう)。その商品を多くの方にお使いいただくことで、サンゴ礁保全事業が安定して続けられるよう村をあげて取り組んでいます。
昔も今も 沖縄の暮らしの中に根付く月桃
うりずんの季節(初夏)になると白い花を咲かせ、爽やかな香りで夏の訪れを知らせてくれる「月桃」。防腐・防虫効果のある薬草として、その昔から島の暮らしの中で活用されてきたショウガ科の植物です。葉でモチを包めばムーチーというお菓子に、実を部屋の四隅に下げて虫除けに使いました。また、茎で円座や籠などの民具を編むなど、余すことなく生活の中に取り入れられてきました。そんな月桃を利用した商品のご紹介です。
月桃ルームフレグランス sarmin 月桃の葉や茎を蒸留して作ったルームフレグランス。スプレーをひと吹きすると月桃の爽やかな香りが舞い、お部屋を包み込みます。 |
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月 桃 茶 太陽をたっぷり浴びた月桃の葉のハーブティー。気軽に飲みやすいティーバッグにしました。 | |
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※sarmin(サーミン)とは月桃を示す島の言葉です。
村をあげた保全への取り組み
“サンゴ礁文化”を引き継ぐ石垣島白保集落
白保集落
白保集落は東京から約2000km、沖縄本島から400km離れた八重山諸島の石垣島にあります。古くからの農村ですが、すぐ目の前にサンゴ礁が海と関わりの深い暮らしがここにはあります。
白保集落とサンゴ礁
昔から人々は農作業の合間に潮の干潮に合わせて海に下り、海の恵みを得てきました。また、屋敷の周囲にはサンゴで石垣を築くなど、美しい街並みを形成しています。沖縄一の豊かな農地は、サンゴの風化した土壌からなります。農業に関わる神事や祭事の中にも海とのつながりが見られ、まさに「サンゴ礁文化」といえる海と人との関係があります。この白保のサンゴ礁は世界最大級のアオサンゴ群落をはじめとする数々のサンゴや色とりどりの魚が棲む、生物の楽園といえる場所です。
村をあげた保全への取り組み
白保集落では2005年に白保魚湧く海保全協議会を設立し、サンゴ礁を集落みんなの財産と位置づけ、その保全に取り組んできました。その一つが、NPO法人夏花が引継ぎ実施している畑の周りへ「月桃(ゲットウ)」という、ショウガ科の在来植物を植え、畑からの赤土と呼ばれる表土の流出を防ぐ「グリーンベルト大作戦」です。根がしっかりと土を押さえる月桃を植えることで、海の環境を悪化させ、サンゴの減少の一因となっている畑からの赤土の流出を防ぎます。しかし、グリーンベルトの設置は、畑の面積を狭くし、農作物の収量を減少させるため、農家の負担を軽減する解決策が必要でした。
※「赤土」とは、沖縄の島々に見られる、粒子の細かい赤茶色の土のことです。
グリーンベルト植物の商品化
白保のおじぃ、おばぁが受け継いで来た伝統的な手業や自然の素材を利用する知恵を活用した地場産業づくりに取り組む白保日曜市のメンバーが、この問題の解決に取り組みました。その結果、月桃の葉や茎を活用して作ったのがこの商品です。グリーンベルトに植えられた月桃が経済的な価値を持つことで、農家の負担を減らしてサンゴ礁保全も進むことが期待されます。グリーンベルト植物を原料とする月桃商品の製造販売は、NPO法人夏花が引継ぎ、2017年より月桃茶も発売しました。
映像でのご紹介 The Story of Sarmin
サンゴ礁に迫る危機
現在、地球温暖化による影響(白化現象)や土砂の流出などにより地球上のサンゴ礁が減少しています。既に世界の27%のサンゴ礁が消滅し、今後30年間のうちに世界のサンゴ礁の60%が消失するとの報告があります。かつて、白保サンゴ礁は“奇跡の海”と呼ばれました。沖縄本島やその他の島々で、開発やオニヒトデの大発生などによりサンゴが死滅する中で、白保にはアオサンゴ群落をはじめ健全なサンゴ礁が残されていたからです。しかし、近年、ここ白保でもサンゴの減少が顕著に現れており、アオサンゴ群落など一部を除いて大幅に減少しています。
サンゴとサンゴ礁
サンゴはまるで石や植物のように見えますが、実はクラゲやイソギンチャクと同じ「刺胞動物(しほうどうぶつ)」というグループに入る、れっきとした動物です。
枝のようなミドリイシ | 花びらのようなコモンサンゴ | 大きな塊のハマサンゴ |
このサンゴがたくさん積み重なってできた地形のことをサンゴ礁といいます。白保にはサンゴ礁を作るタイプのサンゴが120種も生息しています。
サンゴ礁は海の熱帯林
サンゴ礁は地球上の海の面積の0.2%にすぎませんが、海洋生物の1/4の生活に関わっているといわれており、まさに生物多様性の宝庫です。
白保の魚の多様性 WWF生物調査より
インカチ周辺 約80種 | サンゴ群落 180種 | サニズ漁 30種以上 |
復元されたインカチ(海垣)の生物利用状況を調査。価値の岩に棲みつく魚もみられます。 | 定点にラインを引いて魚や底生動物の数を調査。小型種が多く記録されます。 | 白保に復元したインカチを使った漁体験。大型の魚がよくかかります。 |
商品ラインアップ
サンゴの海を守る 月桃ルームフレグランス sarmin(サーミン)
沖縄のサンゴの海のように、お部屋の空気もキレイにリフレッシュ。月桃の葉や茎を蒸留した「sarmin」サーミンの爽やかな香りをぜひお試しください。
サンゴの海を守る 石垣島産 月桃茶
月桃の葉を1枚1枚丁寧に洗浄、選別し、乾燥させ、気軽に楽しめるティーバッグにしました。月桃にはポリフェノールが赤ワインの数十倍も含まれると言われており、その高い抗酸化作用からエイジングケアへの効果があると、近年注目されています。
月桃茶(ティーバッグ) 5包入り 10包入り 爽やかな香りのハーブティー。冷やしてお飲みになるのもオススメです。 |
月桃茶(ティーバッグ) 1包入り ちょっとしたギフトやお返しにお使いいただけるティーバッグ1つのミニパッケージです。白保の海や月桃をイメージしたオリジナルのイラスト入り。 |
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原材料:月桃 生産地:沖縄県石垣市白保 |