沖縄県白保 サンゴの海


赤土調査

WWFジャパンで2000年8月から継続して行なっていた白保サンゴ礁での赤土調査は、昨年1月からNPO夏花のコーディネートで実施しています。調査では、海底より一定量の砂を採取し、その中に含まれる微粒子による海水の濁り具合を測定します。海底に沈殿する赤土の量に応じて、ランクを9段階にわけて汚染度を判断します。ランク5b以上でサンゴに悪影響が現れはじめ、ランク6以上で明らかに人為的な影響があるとされています。今回は、2014年秋季と2015年冬季の調査結果を報告します。

赤土の量を分析
2014年秋季と2015年冬季の調査結果 

2014年秋季調査では、4か所でランク6を記録しました。最大SPSS値は55.7kg/m3で、秋の調査としては過去3番目に低い(濁りが少ない)数値でした。調査前日に42.5mmのまとまった雨が降っており、轟川河口付近の海水の透明度は悪く感じられました。台風接近に伴う外洋への排出等、好影響も見受けられましたが、陸域での対策の必要性を再認識しました。

2015年冬季調査ではランク6を記録したのはG-1、G-2、F-1、F-2、E-1、C-1、Y-1の7か所で、最大のSPSS値はE‐1の114.5㎏/㎥でした。期間中の降水量は132mm(盛山観測所)。前回の調査(秋季赤土調査)でランク6を記録したのは4か所でしたが、今回7か所に増えていました。

 

赤土堆積調査結果

NPO夏花では、今後も行政や地域の土地所有(耕作)者の理解と協力を得ながら、グリーンベルトの植栽活動を含む赤土流出を防止する最善策を提案、実施していきたいと思います。赤土調査に協力していただける調査員を募集しています。興味がある方は事務局までご連絡下さい。

 

Written by NPO夏花