サンゴ礁の脅威の一つである赤土。
年に4回、白保サンゴ礁海域30地点において、海底の赤土の堆積量を測定しています。

サンゴ礁の脅威の一つである赤土は粒子が細かく、亜熱帯特有の集中豪雨や台風時に海に流れ出ます。島の周りはサンゴ礁の防波堤が発達しており、イノーと呼ばれる外海とさえぎられたプールのような浅い海が取り巻いていることから、いったん流れ込んだ赤土は海底を覆い、サンゴをはじめとするイノーに生息する生き物たちに様々な悪影響をもたらします。

夏花では、私たちの暮らすすぐそばの白保サンゴ礁の状態を自分たちで把握するために、SPSS法(底質中懸濁物質含量簡易測定法:Suspended  Particles  in  Sea  Sediment)と言われる手法で、年に4回(春期、夏期、秋期、冬期)、白保サンゴ礁海域30地点において、海底の赤土の堆積量を測定しています。

この調査は、WWFジャパンが2000年8月より地域ボランティアと協力しながら実施してきたものを、2014年1月からは、NPO夏花が引き継ぎ、地元のサンゴ礁保全団体である白保魚湧く海保全協議会のメンバーと連携して実施しています。

海底より一定量の砂を採取 海底より一定量の砂を採取 赤土の微粒子の含有量を測定

調査はシュノーケリングを用いた潜水により海底より一定量の砂を採取し、その中に含まれる赤土の微粒子の含有量を測定します。海底に沈殿する赤土の量に応じて、ランクを9段階にわけて海底の状況を判断します。ランク5bからサンゴに悪影響が現れはじめます。ランク6以上からは明らかに人為的な赤土等の流出による汚染とされています。

NPO夏花では、海域での赤土堆積量調査の他、WWFジャパンや企業などからの支援や行政との連携、地域の土地所有(耕作)者の理解と協力を得ながら、グリーンベルトの植栽活動を含む赤土流出防止対策の促進に取り組んでいくこととしています。2015年9月からはこれまで植え付けを行ったグリーンベルトの生育状況などのモニタリング調査にも取り組んでいます。

今後も継続的に赤土堆積量調査を実施することで、より効果的なサンゴ礁保全対策を検討し実行していきたいと思います。白保海域における現在までの赤土堆積量の調査結果及び、その推移については下記ページをご覧ください。

本事業は株式会社セディナ「地球にやさしいカード」、ゆうちょ銀行「ゆうちょ エコ・コミュニケーション」からの寄附を活用して実施しています。

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